◇2020/10/3(土)~シネマスコーレ様で1週間劇場公開[2020/9/5]

◇2020/9/4(金)~京都みなみ会館様で1週間劇場公開[2020/8/18]

※諸般の事情により中止

◇横浜シネマ・ジャック&ベティ様で2週間公開終了[2020/8/18]

◇2020/7/4(土)~大阪のシアターセブン様で2週間劇場公開[2020/6/13]

◇阿佐ヶ谷ネオ書房様で12月8日(日)本作ご上映[2019/11/4]

◇2019/8/24(土)~9/1(日)下北沢トリウッド様延長ご上映[2019/8/9]

◇産経新聞様の朝刊に記事掲載されました![2019/8/5]

​NEWS

◇『日本映画navi 2019 vol.82』に掲載されました![2019/7/1]

◇2019/7/27(土)~下北沢トリウッド様で2週間劇場公開[2019/7/1]

​STORY

小学6年生になった男の子の光は、自身の受け口を悩み抜きマスクをつけて学校へ行くようになった。

両親は、その治療のため、光と歯科を訪ねるものの、診察で、顎の矯正には18歳頃になってから手術が必要と知らされる。

 
 

INTRODUCTION

 小学生の光は自らの顔の特徴である「受け口」にコンプレックスを持ち、教室にうまく馴染めない。彼はクラスメイトにからかわれ、「いじめ」の標的となる瞬間さえもある。また2005年4月の発達障害者支援法の施行前、「発達障害」の周知がない時代が本作の背景となっており、光は隠れた発達障害をも抱えている。


 本作では、実話を基にし登場人物それぞれの生きている瞬間を如実に描き出している。誰でも、思春期に人との違いを悩んだこと、人とぶつかったことはあるはず。だからこそ、境遇への共感や、過去の記憶をも呼び起こす作品となっている。

 映画は、出演者達の真に迫った熱演が観客に大きな衝撃を与え、撮影から4年を経て、カナザワ映画祭2017、第18回TAMA NEW WAVEと数多くの映画祭で受賞。翌年に福井駅前短編映画祭2018で、グランプリを受賞する。山本楽が2013年に小学4年で「受け口」の主人公を演じ、悩みを抱える当事者の内面を表現している点も見どころである。

*受賞歴*

福井駅前短編映画祭2018グランプリ[フェニックス大賞]
カナザワ映画祭2017「期待の新人監督」特別賞
第18回TAMA NEW WAVEコンペティション特別賞
第2回池袋みらい国際映画祭地域審査員賞
福岡インディペンデント映画祭2018優秀賞
第3回ところざわ学生映画祭グランプリと観客賞
 

​CAST

山本楽 千野羽舞 古山憲太郎 河野知美 市原叶晤 大塚巧 拓羊 服部ひとみ 坂下麻里子

 

​STAFF

監督・脚本・撮影・編集:岡倉光輝
助監督:太田恭平
撮影照明:西村洋介 前田大和
プロデューサー:理沙
衣装:吉澤志保
劇伴:Reimer Hilmar Eising / Pachi (Tapioca Hum) / Tobias Wilden
殺陣師:仁尾岳士
宣伝美術:椙元勇季

​上映時間:30分54秒
​配給宣伝:©「アマノジャク・思春期」製作委員会

 

COMMENT

子どもの頃の身体的コンプレックスを映画で表現するのは意外と難しい。 そこへ岡倉光輝監督は果敢に挑戦して、見事にある達成を見せている。得体の知れない苛立ち、世界に対する不安、よくわからないけどしてしまう変な行動……あぁ、自分もそうだったなぁと思わせてくれる。なによりも主人公の男の子が素晴らしい。ふらふらとした身体性、歩き方、目つき。演出の力だと思う。

入江悠 映画監督 / 『SR サイタマノラッパー』『劇場版 神聖かまってちゃん』22年目の告白』『AI崩壊

 

「清く正しい被害者」の物語でもなく、「同情できないシリアルキラー」の物語でもない、血も涙もある、言葉の本当の意味での「等身大」こそが、実は現実にも表現の世界にも居場所がないとしたら、本作の存在は、まさに快挙である。

切通理作 映画監督・文筆家 / 『青春夜話 Amazing Place』『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』

 

子供の頃、誰しも一度は『世界なんか壊れてしまえ』と思ったことがあったろう。本作は、ある事情からそのような境遇に陥った少年の姿を描いている。監督はまるで少年になりきったかのようにリアルにその心情に寄り添い、安っぽいドラマに見る同情や教条主義を徹底的に拒絶した。故に小さな躯に押し込められた獰猛な精神が私を感動させる。徹頭徹尾、彼は正しい。世界を破壊する権利が彼にはある。

平山夢明 作家 / 『メルキオールの惨劇』『独白するユニバーサル横メルカトル』『ダイナー』『恐怖の構造』​

監督の苦悩が活かされた作品と見ました。鬼気迫るものを感じました。

押切蓮介 漫画家 / 『ゆうやみ特攻隊』『ツバキ』『ハイスコアガール』『ぎゃんぷりん』

 

鮮烈な印象です。原石が徐々に磨かれ、キラキラした宝石のような作品となりましたね。壊れやすく、傷つきやすい人間の心を正面から見据え、映像に昇華させる並々ならぬ力を備えた新しい表現者の登場ですね。

野中章弘 ジャーナリスト / 『沈黙と微笑 タイ・カンボジア国境から』『ビデオジャーナリズム入門 8ミリビデオがメディアをかえる』

純粋無垢な子どもにとって「人と違うこと」は最大のコンプレックスとなる。また、成長段階では自分の思いを言語化することも、かなりのエネルギーを要するため、その苦しみが問題行動を引き起こし、さらに傷口が広がってしまう。

姫野桂 文筆家 /『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』『発達障害グレーゾーン』

 

あっという間に最後まで、が正直なところだ。いじめ、発達障害と切実な問題が過不足なく収まっているからだろう。下手をすれば2時間超になりかねない題材を、適切な時間と語りで見せる作り手の誠実さ、聡明さを感じる。若い監督の映画が無神経に長時間化して行く傾向に不快と危惧を感じる者にとって「映画の時間」もここにはある。

大森一樹 映画監督 / 『ヒポクラテスたち』『ゴジラvsビオランテ』『ボクが病気になった理由』『わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語』​

 

開巻間もなく、主人公の状況が提示された後は、ひりつくような“30分”が訪れる。途中、登場人物のセリフのように、「何言ってんだか、聞き取れねぇ~や」という気持ちに襲われる瞬間もある。しかし気付くと岡倉光輝監督の、これを描かなければ前には進めないという確固たる意志に、いつしかヤラれてしまっている。心して観よ! そういう“30分”なのだ!!

松崎まこと 放送作家・映画活動家

 

いじめ問題を扱っている真面目な映画といったこととはまったく無関係に、思わずハッとするシーンや仕草が一杯ある。映画としての的確な語りに、身を乗り出さない観客はいないはずだ。

万田邦敏 映画監督 / 『Unloved『接吻』

 

子供達が主人公の映画はどうも嘘くさい作品が多いと思うのだが、本作はびっくりするくらいリアルな子供の世界を描いている。子供の純粋さや残酷さが凄くよく描かれていて驚いた。是非多くの人に見てもらいたい作品です!

野火明 映画監督 / 『シークレット ワルツ』『蟻が空を飛ぶ日

 

彼らは出ていったのだろうか、それとも戻りくるしかなかっただろうか。差別や抑圧、無知と偏見、そして装った無関心、あらゆる息苦しさが渦巻く“日常”へ。

安田菜津紀 フォトジャーナリスト / 『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-

 

受け口がコンプレックスの小学生男子の姿を描く30分の短編作品。子供のいじめ描写が嫌にリアルで、観てて胃がキリキリした……。テーマにどこまでも真摯に向き合っており、鑑賞後にズンと残る重さがある。凄かったです。

人間食べ食べカエル 人喰いツイッタラー

実は僕、本当にノミネート作品を選ぶときに見て、もう見た瞬間、グランプリこれしかないなと。まだちょっと見てない作品もあったんだけれども、それぐらいインパクトをすごく受けまして。見てても、ほんとに涙が止まらなかったんですけれども。
色んなことに生きづらさを感じて、辛い思いをしてる子たちもたくさん居ると思うんですが、そういう子たちを描く上で、上手く行ってる作品ってなかなか無い、と思ってまして。
っていうのは、やっぱり弱者と強者がいたりとか、悪い奴、良い奴って、どうしても分けないことには人の心に届かないと思って作られてる作品も多いんですが、「アマノジャク・思春期」に出てくる子たちは、みんな、それぞれの正義を持って、いじめる側もいじめられる側も、みんな正義があり、で、みんな、どこか欠点があって、その欠点と自分自身が戦いながら生きてるというところが、こんなにうまく描かれてる作品は、ほんとに初めて観ました。
あと、芝居が、素晴らしかったです。もう僕の中では、非の打ち所のない作品だと思う。ラストにしても、そうです。ラストは色んな捉え方があると思います。僕なりの捉え方もありました。でも、それだけ、捉え方がたくさんあるのは、この作品が力作である証拠だと僕、思います。
もうこの作品しかありませんでした。本当におめでとうございます。

津田寛治 俳優・福井駅前短編映画祭審査委員長

 

自分自身の吃音でからかわれた少年時代を思い出しました。

主人公が少し傾ぎながら下校する姿が印象的。

深田晃司 映画監督 / 『いなべ』『ほとりの朔子』『鳥(仮)』『海を駆ける』

僕も生後5ヶ月のときに右掌に大ヤケドをして、指の間がつながって棒みたいになっていたので、小 1〜2 年ではイジメられて苦しみました。でも小 3 からは、ヤクザの子たちと女の子たちとつながる(何か事があればヤクザの子や女子の側に立つ)ことで、一挙に挽回しました。

「愛と正しさのために法を破る」という実践知と結合した僕の信念は、そこから生まれました。法の視座を(ズルしながら)生きる者もいれば、法外の視座を生きるしかない者(磯部)もいる。そして両方をつなぐ多視座を生きる者(峰岸)もいる。この信念が、ヤクザにケツモチしてもらいながら、援交や色街をフィールドリサーチする僕の研究につながりました。

「磯部、そこからが始まりだぞ!」と応援しながら、拝見しました。途中、ドブ川に落とされたり、階段から落とされたりしたことを思い出して、ちょっとつらかったです。それでも、女子の中には、男子を批判してくれる子もいたので、男子と女子が争うときは、女子の味方をすることにしたのです。それはいい思い出につながりました。小学校のときの経験が僕の生き方を決めたんだなと、この映画をみてつくづく思いました。

宮台真司 社会学者・映画批評家

『アマノジャク・思春期』素晴らしい映画でした。物凄く高密度な映画を観た気持ちになりました。作者の子供時代の思い出をベースに、丁寧に織り上げられたモザイク模様の作品です。受け口をコンプレックスに感じ、主人公は日常的にいじめに遇い、行き場のない怒りを爆発させる問題児。でも、ユーモアに満ちたセリフと、キャラ達の陰陽を見事に捉えたカメラ、立体的な音響効果でスクリーンの中に「今、そこに生きている子どもたち」を描き出すことに成功しています。ただでさえ難しい子どもたちの群集劇と、彼らを取り巻く大人たちの葛藤を、これほど見事に深く描いた作品なんてめったにありません。この作品を観ていて僕が思い出したのは『ウルトラQ』の「育てよ!カメ」「カネゴンの繭」でした。まるで怪獣の出ない『ウルトラQ』。それも、山田・中川コンビの「カメ」「カネゴン」というウルトラ児童映画路線の傑作と同じ匂いを発していたのです。当然怪獣は出てきません。でも、友人達ともコミュニケーションが取れず、怒りに任せて暴れてしまうその姿は、子供時代(思春期の)誰もの心に潜む「怪獣」ではないのでしょうか。それは社会と相いれず、カメに心を寄せる少年の姿であったりお金に取り憑かれ(既成の価値観に取り込まれ)自分を見失ってしまうカネゴン少年の姿とも重なって見えるのです。また、30分でこんな濃厚な演出が出来ている事も『ウルトラQ』などかつての子供向けテレビ映画を思い出させます。そういう演出こそ、現在忘れられ失われているものなのです。
『アマノジャク・思春期』の台詞回しは独特です。時代劇のような雰囲気かもしれません。だからこそ1シーンのなかに様々なキャラの様々な感情がもつれ合い、短いショットの中に多くのドラマが埋め込まれているのです。照明や音響もドラマを見事に支え、映画ならではの時間と空間の距離や広がりを描くことに成功しています。映画作家の友人達ともよく話すことですが、フィルムからビデオになって長時間の撮影が可能になり、音声もその場で録音できるようになり、結果「現実の時間」が映画を侵食する時代になっています。徹底的にシナリオを煮詰め、撮影照明演出でシビアに成形し、編集でさらに追い込み、音声で縁取る。それは時間・空間・ドラマの象徴化・圧縮であり、決して現実の複製ではないはずです。そんな、フィクショナルな映画体験を『アマノジャク・思春期』は久々に味あわせてくれました!
笑える場面やユーモラスな表現も多く、エネルギーとパワーに溢れた作品です。恐らく監督自身がつらい過去を客観視し、作品に昇華することが出来たから生まれた映画なのでしょう。いじめっ子たちも魅力的です。クラスの異物として存在する主人公に対し、無視できずにちょっかいを出し、先生や親たちは悲鳴を上げます。『ウルトラ
Q』の「育てよ!カメ」では、カメを育てる少年は教室で浮いています。彼は自分の世界に引きこもっているように見えますが、実は相容れない世界に抗っています。そして、最後には教室の誰もがカメを育て始める。主人公の問題は決して彼だけの問題ではなく、子どもたちに(大人達にも)共通の問題なのです。『アマノジャク・思春期』のいじめ場面は辛いシーンではありますが、それ以上に「学校」や「大人の都合」など、子どもたちが閉じ込められた世界の矛盾を描き、その中で子供達が「怪獣となって暴れる」場面です。いじめっ子たちも、いじめを無視するクラスメート達も、みんな内なる怪獣が目覚め始めているのです。
『アマノジャク・思春期』は、題材や解説のイメージで暗い作品と思われがちですが、そんな事ありません。主人公も、いじめっ子たちも、弟や、初恋の女の子や、先生や両親や、様々な登場人物が皆魅力的に描かれ、全員がそれぞれの時間を生きています。答えの出ないつらい映画のはずなのに、見終わると不思議な高揚感につつまれ、元気が出て来ます。それは登場人物たちが「現実」の奥に隠された「真実」を生きているからでしょう。それこそがフィクションとしての映画の力なのです。短編ですが、長編並みの内容を持った傑作です。お勧めします。

にいやなおゆき アニメーション作家 / 『灰土警部の事件簿 人喰山』『2012年. 初夏』『こがねむし』『乙姫二万年』  

​(敬称略・順不同)

 

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